垂水市の幹部と職員、児童施設盗撮事件の保護者説明会に姿を見せず

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市が管理委託の法人、児童50人に対し被害弁償は「計200万円が上限」

法人代理人で鹿児島県公安委員長の鑪野孝清弁護士が説明

垂水市児童盗撮事件

鹿児島県垂水市が設置する児童施設で児童10人が盗撮の被害に遭い、市が業務を委託する公益社団法人の元職員が児童買春・児童ポルノ禁止法違反(製造)などで有罪となった盗撮事件――。

この事件をめぐり同法人は12月12日、被害児童10人を含め、元職員が盗撮を続けていた約4年間に施設を利用した児童50人の保護者を対象に説明会を開き、全員に対する被害弁償額の上限が計200万円であることを明らかにした。これまで垂水市は事件について市民に報告しておらず、この日の説明会でも市の幹部や担当職員は欠席。保護者からは「なぜ市役所から誰も出席していないのか」と疑問の声が上がった。

鑪野弁護士、賠償上限200万円「少なすぎるのは重々承知」

被害児童の保護者によると、説明会は12月12日午後7時から垂水市内で開かれ、十数人の保護者が出席。同法人の代理人で、鹿児島県公安委員長を務める鑪野孝清弁護士が今後の対応について説明した。

刑事事件で被害が立件された10人を含め、少なくとも計50人が盗撮されていた可能性があることを踏まえ、鑪野弁護士は「児童によって違う賠償金額ではなく、一律に払ったほうがいいと考えている」と説明。同法人としては、被害弁償に充てられる上限額が計約200万円で、保険での対応ができないことから、「少なすぎるという考えがあることは重々承知しているが、こちらとしても準備ができる金額はそれだけになる」として、保護者に理解を求めた。

財力なく「加害者本人に弁償の提案はできない」

また、盗撮で有罪判決を受けた元職員について鑪野弁護士は、所在は不明ではあるが、「(法人の)賠償額が足りないということであれば、加害者本人に請求することはできる」と説明。だが、刑事裁判で元職員の国選弁護人を務めた弁護士に確認したところ、被害弁償をできるだけの財力がないことがわかり、「加害者本人に弁償の提案はできないと考えている」とした。

法人「説明会の開催は市に伝えている」

保護者からの質疑では、この事件について垂水市が市民に説明していないことを踏まえ、「なぜ市役所から誰も出席していないのか」と疑問の声が上がった。これ対し法人の担当者は、「説明会を開催することは市に伝えているが、誰も出席がなかった」と答えた。

垂水市役所=2025年8月、鹿児島ポスト撮影

元職員、4年にわたって更衣室で盗撮

これまでの取材によると、元職員は2024年6月~8月、児童施設の更衣室内に設置したカメラ4台で水着に着替える児童を盗撮した。同年9月に事件が発覚後、職員は過去に盗撮した映像データを保存したパソコンやスマートフォンなどを海に投げ捨てたのち、警察署に自首して逮捕。その後、児童10人を盗撮したとして、性的姿態撮影等処罰法違反(撮影)と児童買春・児童ポルノ禁止法違反(製造)の罪で、懲役2年、執行猶予4年の有罪判決を受けた。

職員が盗撮を始めたのは2020年ごろで、児童施設に更衣室を設置する工事を担当した際に、室内に盗撮用のカメラを取り付けた。2023年に更衣室のリフォーム工事をした際にもカメラを増設しており、約4年間にわたって盗撮を継続。刑事事件で立件されたのは児童10人に対する盗撮だが、実際にはさらに多くの被害者がいるとみられている。

保護者が批判「垂水市が設置者として市民に説明すべき」

説明会に出席した保護者の一人は、「被害弁償の話を含めて、垂水市が設置者として、この事件について市民に詳しく説明するべきだ」として、説明会に姿を現さなかった市の幹部らを批判した。

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