西之表市に対し住民訴訟、自衛隊宿舎建設地のごみ処理費支出は「違法」【馬毛島基地問題】

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防衛省に代わって負担する1000万円の支出差し止めを請求

ごみ調査費の1100万円は国と市長に賠償請求を

西之表市の住民グループが鹿児島地裁に提訴

【左】西之表市の八板俊輔市長=2026年9月4日、西之表市議会YouTubeチャンネルより【右】自衛隊基地の建設が進む馬毛島=鹿児島ポスト撮影

米軍空母艦載機の離着陸訓練(FCLP)にも使われる自衛隊基地の建設が進む鹿児島県西之表市の馬毛島――。

この基地建設に伴い、防衛省が西之表市内で計画している自衛隊宿舎の建設予定地から大量のごみが見つかり工事が中断している問題で、地元住民グループが同市を相手取り住民訴訟を提起した。市がごみ処理費を負担することは違法だとして、支出の差し止めなどを求めている。提訴は2026年9月30日付。

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住民訴訟の提起について住民グループが開いた記者会見の様子を伝えるFNNプライムオンラインのウェブサイト画面

鹿児島地裁に提出された訴状によると、住民側が請求しているのは次の2点。

①2026年に事業者である防衛省に代わってごみ処理をするために、市が補正予算で計上した約1000万円の支出を差し止める。

②2025年にごみの量などを確認するボーリング調査に予備費から約1100万円を支出したことは違法であるため、その全額を国と八板俊輔市長に賠償請求する。

住民側「裁量権を逸脱・濫用し不必要な支出」

①について住民側は、市は廃棄物処理法11条2項(※市町村が一般廃棄物と併せて、一定の産業廃棄物を処理できるとする規定)を根拠にしていると指摘。そのうえで、この条項は事業者である防衛省が自ら処理できない場合に限り認められる例外規定で、今回のケースでは、そのような事情はなく違法だとしている。

また、①と②については、「そもそも本件土地に自衛隊宿舎を建設することが市民にとって利益になるとはいえない」「各支出をしたとしても建設が確約されているわけではない」としたうえで、いずれの支出も「裁量権を逸脱・濫用し、不必要な支出といえるので、違法である」と主張している。

建設が中断している自衛隊宿舎建設地の様子を伝えるFNNプライムオンラインのウェブサイト画面

この問題をめぐって住民側は、7月に同じ内容で住民監査請求をしたが、市監査委員は防衛省と市の間で「市がごみ処理費を負担するとの覚書が締結されている」として棄却していた。

西之表市役所=Wikimedia Commons より

馬毛島基地建設に伴う自衛隊宿舎問題
建設が予定される自衛隊宿舎は10階建て97戸分。西之表市が2022年に2260万円で国に売却した用地で建設が計画され、2024年から工事が始まった。だが、着工後に地中から石や空き瓶、古タイヤなどが大量に見つかり、工事が一時的に中断。かつて建設予定地が廃棄物処理場だったことから、防衛省は他の代替用地を求める一方、市は廃棄物処理場の跡地であることを口頭で伝えていたなどとして、現在と同じ用地での工事継続を要望している。

その後、市は工事再開に向けて2025年に約1100万円を支出し、地中のごみの量などを確認するボーリング調査を実施。2026年6月の市議会では、ごみ処分費用を盛り込んだ補正予算案が承認され、約1000万円が支出される見通しとなっている。

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